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柴田和宏1

日本語と漢字の授業

     TOSSウトナイ 柴田和宏

「どうして漢字の勉強しなきゃいけないの?めんどくさい。全部ひらがなで書けばいいじゃん。」そう思っている子どもたちに、漢字のすばらしさを伝える授業です。

教  科:国語
対象学年:高学年以上

授業用コンテンツを希望される方は、以下のメールアドレスへ連絡ください。

siro9ma@soleil.ocn.ne.jp

 指導案


発問1 日本語にはいろいろな種類の文字があります。まずはひらがな。他に何がありますか?

 ひらがな
 カタカナ
 ローマ字
 漢字

第2次世界大戦後、日本の教育を立て直すためにやってきたアメリカ教育使節団は、日本語について調査しました。

日本語の文字数です。

 ひらがな 46
 カタカナ 46
 ローマ字 20
 漢字   5万以上

英語の文字数です。

 アルファベット 26

調査の結果、彼らは次のように報告しました。

 「日本の国字は、学習の恐るべき障害になっている。漢字の暗記が、生徒に過重な負担をかけている。」

発問2 彼らは、どの文字を廃止すべきだと考えたでしょうか。ノートに書きなさい。

 漢字

そして次のようなことをすすめしました。

 「日本語の表記をローマ字にすること」
ひらがなやかたかな・漢字をなくして、すべてローマ字で書くようにすすめたのです。

GHQは計画の実施前に調査をおこないました。

15歳から64歳まで約1万7千人が国語のテストを受けました。

    

当時の問題のほんの一部です。今の大学生が見ても、とっても難しい問題ばかりです。
  問題を提示する。(「日本語の教室」 大野晋著 岩波新書 2002年参照)  
調査の結果。平均点78.3点。予想を大きく上回る結果を受けて日本語のローマ字化を中止しました。

発問3 なぜ、日本人はこれほどまでに文章を読む力を身につけることができたのでしょうか。そこには、漢字の驚くべき力があったのです。その力の1つを実際に体験してみましょう

発問4 英語を見せます。お医者さんや研究者が使う専門用語です。なんとなく理解できた人?

 1.Podiatrist
 2.Gingival
 3.Leukemia
 4.Selenotropism
 5.Pachyderm
 6.Limnoloby

実はアメリカ人でも、専門家しかわからないそうです。

これを日本語にします。

 1.Podiatrist    そくびょうい
 2.Gingival     しけいおん
 3.Leukemia     とうそくるい
 4.Selenotropism   こうげつせい
 5.Pachyderm     こうひじゅう
 6.Limnoloby     こしょうがく

発問5 なんとなく理解できた人? 
漢字にします

 1.Podiatrist    そくびょうい   足病医
 2.Gingival     しけいおん    歯茎音
 3.Leukemia     とうそくるい   頭足類
 4.Selenotropism   こうげつせい   向月性
 5.Pachyderm     こうひじゅう   厚皮獣
 6.Limnoloby     こしょうがく   湖沼学

発問6 なんとなく理解できた人?

漢字は、専門家にしかわからないような難しい言葉でも、見るだけでなんとなく理解できるのです。

明治時代、欧米の技術を吸収し、急速に発展をとげたのは、この漢字の力が原動力だったとも言われています。漢字にはまだまだ秘められた力があります。これからも漢字の勉強をしていきましょう。


 子供の反応

子供たちから「漢字めんどくさいなぁ」という言葉が聞こえたときに授業をしました。授業後に子供たちから「漢字ってすごい!」という感想が出ました。

          
         (作成日2007年9月9日 最終更新日2007年9月11日)