国語>物語文>1年生
「けんかした山」で言葉を根拠に考えさせる
TOSSオホーツク 塩谷亜由美
作成日:2007年9月12日
更新日:2007年9月14日
- 小学校1年生でも、文章の言葉を根拠にして考えることは可能である。
ひろがることば(教育出版)1年上に載っている「けんかした山」での実践である。
原実践との違い
本実践は、TOSSオホーツク吉田沙智氏の追試である。
出典は、TOSSオホーツク例会で出されたサークルレポートである。
そのため書籍・雑誌・TOSSランドコンテンツなどの形で公開されていない。
(本実践のTOSSランド登録については吉田氏の許可を得ている)
吉田氏は、次のような発問を授業で用いた。
- 発問
- 山はひとつだよね?
吉田学級の子どもは、「ひとつではない。ふたつである。」という根拠に
けんか
という言葉をあげている。
この発問を追試したところ、原実践とは異なる根拠があげられた。
1年生の子どもたちが言葉を根拠に考える知的で楽しい授業となった。
本時の流れ
※子どもたちは最低10回全文音読している状態である。
最初に教材文を2回音読させた。
その後、最初の2行を音読させた。
たかい山が、ならんでたっていました。
山の高さはどのくらいなのかをおさえた後、次のように聞いた。
- 発問
- 山はひとつなんだよね?そうだよね?
子どもたちは、「ちがう!」と言う。
- 指示
- その証拠をさがして、指さしてごらんなさい。
子どもたちは、一斉にさし絵を指さした。
二つならんだ山の絵が載っている。
言葉ではなく、さし絵を根拠にしている。
- 説明
- すごいなぁ、よくわかったね。でもね、国語は「ことば」で勉強するんだよね。だから、理由もお話の中の「ことば」からさがすんだよ。
子どもたちは、「わかった!」と言いながら、教材文を読み始めた。
原実践では、ここで「けんか」という言葉が子どもから出される。
しかし、異なる言葉が根拠として出された。
『りょうほうの山』
これには驚いた。
確かに『りょうほう』という言葉は二つのものを意味する。
立派な根拠だ。
大いにほめた。
一人の子が答える様子をみて、他の子もやり方を理解してきた。
以下のような根拠があげられた。
「『かおをみあわせました。』と書いてあるからです。」
「『どちらの山も』と書いてあるからです。」
どれも言葉を根拠にしている。
この後、『せいくらべ』『けんか』『ならんで』という言葉を取り上げて
これらも根拠になることをおさえた。
小学校1年生でも、発問次第で、言葉を根拠に考えることは可能である。