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中嶋雅子1−1

 絵本は楽しい〜参加型の読み聞かせリスト(1)


『へんしんトイレ』あきやまただし(金の星社)


 言葉遊びを楽しむ絵本です。
ページをめくると、「ジーパン」が「パンジー」に「変身」するという面白さがあります。短い単語を繰り返すだけなので、構音障害のある子も他の児童と一緒に言うことができました。「みんなと一緒に言う」という楽しさを味わうことができます。

 読み方のコツは,「なりきる」こと。
  ・ジーパン→パンジー…パンジーになるときは,おもいっきりかわいらしく。
  ・しんぶん…真面目な表情を作って
  ・えび…はじめは泣きそうな感じで小さな声で,ページをめくると同時に大きな声で「びえー!」
  ・いしころのいしたろう…「いやだ,いやだ」はいやそうに,動作も入れて。
  ・オペラ歌手…オペラ歌手のように朗々と。
  ・しんじ君…もじもじしながら
 
 わかりそうな時は,「何になるかな?」と聞きます。
知的障害のある子の場合は,ここが難しいです。ですから,何回か読んだ後に聞きます。「知ってる,知ってる」というのを楽しむ発達段階があります。

 最後の場面で,司会の「きんぞう(おじいさん)」が「ぞうきん」になります。最初に「きんぞう」が出てくる場面に指を挟んでおいて,「ぞうきん」に驚いてみせ,「きんぞう」の場面をさっと見せるといいと思います。そうやって,はじめて理解できたという子がいました。

 この絵本はシリーズで,他には『へんしんマラソン』『へんしんトイレ』『へんしんトンネル』『へんしんオバケ』『へんしんとびばこ』が出版されています。
 ただし,『へんしんコンサート』以外は,見開きに次の絵が出てきてしまう場面があるので,読み方に注意が必要です。授業で読んだときに,そちらに目がいってしまう子がいました。
 特別支援学校,特別支援学級などで読む場合には,片側を隠したり,パネルシアターにするなどの工夫をするといいと思います。