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低学年の子でもスケート靴がらくらく履けて,脱げる方法
冬の体育の中心がスケート学習である学校にとって,スケート靴をしっかり履かせ,素早く脱がせることはとても重要なことである。特に低学年はスケートを滑っている時間と靴を着脱している時間が同じぐらいという実態もあるほどだ。
靴ひもの締め方と緩め方が上手であれば着脱の時間は大幅に短縮でき,スケートが好きな子が増える。
靴を履く(ひもの締め方)
靴の履き方指導や脱ぎ方指導は,屋内で行う。
いすに座った状態でスケート靴を履く練習をする。
十分にひもが緩んだ状態のスケート靴を用意する。
- 指示1
- べろをもって足を入れ,かかとをトントンと床にたたき足を合わせなさい。
- 指示2
- 上から二番目を引っ張って,三番目を締めなさい。
- 指示3
- 一番上のひもは手に巻きつけ,かかとを前に出して締めなさい。
これでひもが締まる。
手で締めるのではなく,足の力を使って締める。
これにより,力がない子でもきつく締めることができる。
ただし,スケートの刃が前に出るため,周囲には十分注意させる。
フィギュアスケートは足首の部分にフックがあるので,それに順番にかける。
- 指示4
- ちょうちょ結びにしなさい。
教師は結び目が二つの輪になっているかチェックする。
片方だと結びをとく時に,玉結びになることがある。
また,結んだ部分の下に指を入れて,上に引っ張りあげる。
すると低学年の子は,結び目がずるずると引き上がる。
まだまだ締まっていないことが明らかになる。
教師が引っ張っても,1センチ以下の場合は『合格!』と言ってやる。
全員が『合格』できるように,何度も練習する。
靴を脱ぐ(ひもの緩め方)
ひもを上手に緩めることがすばやく履くことにつながる。
- 指示1
- ひもをひっぱって,結びをときます。ひもが穴から抜けないように注意しながら一番上のひもをできるだけ緩めなさい
一番上のひもを限界まで緩めると驚くほど長い。
でも,これが大事だ。
このとき,ひもが穴から抜けないように注意させる。
簡単に抜けてしまう子は,ひもの先を一度結んで抜けないようにする。
- 指示2
- 二番目のひもを緩めます。少し緩くなったら一番上のひもと二番目のひもの下に手を入れて,手のひらで同じ長さに調節します。
二本のひもの長さを同じにすることが大事。
手を入れるとき,つま先のほうから足首のほうに向かって指を入れる。
教師は靴が見えるように顔の横にもち,手を上から入れるように見せる。
長さを揃えるときは,指よりも手のひらの方が力が入る。
- 指示3
- 三番目のひもを緩めます。少し緩くなったら一番上のひもと二番目のひも,三番目のひもの長さが同じになるように手のひらで調節します。
上から三本のひもをつま先の方から手を入れて同じにする。
これにより,一番上のひもから三番目まで同じように緩まる。
- 指示4
- べろを大きく前に出し,べろと靴のかかとをもって脱ぎなさい。
三本緩めているので,べろが前にでる。
足の甲の部分に隙間ができ,スムーズに足が抜ける。
- アイスホッケーの場合はこれで十分脱げる。
- フィギュアスケートの場合は足首にあるフックの部分をはずしてから同様に行う。
- スピードスケートの場合,4本緩めないと脱げないものもある。そのときは4本目を少し緩めて脱ぐ。長すぎて足首に巻いたり靴に巻いたりする子もいるが,適度のながさになるように,つま先の部分(ひもの中央)を切って玉結びにするとよい。
- 指示5
- もう一度足を入れなさい。スポッと足が入れば合格です。
多くの子は一番上のひもを緩め,無理やり足を抜く。
だから,履くときに緩めるところから始まるため,時間がかかってしまう。
3本のひもを同じ長さに緩めることが着脱を早くするポイントなのである。
低学年からこれを徹底すると,短時間で靴を着脱でき,スケートを楽しむ時間が増える。
(法則化まりも"99”中原英雄/作成日8月7日/更新日8月14日)