トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ ログイン

泉井 康宏1

楽しく「くっつきの『は』」の定着を図る


日本教育技術方法体系第1巻,小学1年生の教え方大事典p.129〜131
青坂信司氏論文「楽しくできる,くっつきの『は』の指導」の追試である。
1年生の子ども達が家に帰って勉強してくるほど熱中した。

 教材文で授業する

板書1。


さよなら さんかく またきて しかく。
しかく□ とうふ。


それを見た子ども達は興味津々で見ていた。

指示1 ノートに写しなさい。

子ども達は口ずさみながら写していた。
全員書けたのを確認してから次へ進む。
この時、行を変えずにそのまま続けて書いている子達がいた。
近くに行って、次の行に書くことを教える。

発問1 □に入るのは、何ですか。ひらがな一文字です。

学級の子ども達からは「の」「い」「は」など意見が出た。
幼稚園でこの詩が載っている本を読んだ子もいるらしく、『絶対「は」だよ』と言う子もいた。
正解を告げ、ノートの□に「は」と書かせた。

板書2


「とうふ□ しろい。」


指示2 ノートに写しなさい。

発問2 □に入る文字は何ですか。

くっつきの「は」が入ることを告げる。
正解を告げる前に、すでに多くの子がノートに書いていた。
そのことをほめた。

板書3


「うさぎ□ はねる」


指示3 ノートに写しなさい。

言わなくても、すでに書いている子達もいる。

発問3 □に入る文字は?

「は」と元気な声が返ってきた。
ノートにも「は」と書かせた。

指示4 読みます。さよならさんかく。さんはい。

現実践では、「3回読ませる」と書かれてあった。
そこで、男子だけ、女子だけ、右半分、左半分などと変化をつけて音読させた。

その間に、まだ書けていない子たちも追いつくことができた。
また、中には「は」を書けていない子もいる。
読むことで、正しく書けているか、自分で確認することにもなった。

板書4


板書 「 □□□ □ のみ 」


指示5 うつしなさい。

言わなくても、ほとんどの子が書いていた。

ここで、のみが生き物の「のみ」であることがわからない子もいた。
そこで、「のみ」について付け加えて説明した。
そうすると、「わかったー!」という反応が返ってくた。
「はねるはだ−!」という子もいた。

原実践通り、挙手で発表させた。
「手の挙げ方のいい子にあてようかな?」と言うと、子ども達はがんばってピンとした挙手をしていた。
指名。
「はねるは」が正解。

板書5


板書 「□□ □ あかい」


指示6 うつしなさい。

「かんたーん!」とほとんどの子が分かっていた。
みんなで言わせた。
「のみは」が正解。

板書6


板書 「あかい□ ほおずき。」
    ほおずき□ なる。」


この頃になると、板書するだけで、子ども達は写していた。

すでに、□に言葉を入れて書いていた。
これもみんなで言わせた。
すぐに正解が出る。

だが、ここでまだ書けていない子もいた。
時間調整のため、書けた子達に読ませた。

板書7


板書 「なる□ □。」


発問4 はじめの□には「は」が入ります。では、下の□何が入りますか。ひらがな一文字です。

 
子ども達からは「き」「み」「へ」が出た。

発問5 どれだと思いますか。手を挙げます。

圧倒的に「へ」が支持される。
子どもも大笑いしている。
「へ」が正解と告げると、「えー!」と熱狂状態になった。

板書8


板書 「 へは □□□。」


子ども達は、口々に言う。
「くさい」「おなら」
正解を告げる。
正解は、「おなら」。

この日、内科検診があったためここで終了した。

原実践には、まだ続きがあった。
続きの教材文は、以下の通りである。


 くさいは □□□
 うんこ□ ながい
 ながい□ ろうか
 ろうか□ すべる
 すべる□ おっとちゃんのはげあたま



 替え作文を書かせる


次の日、書き出しを一緒に書かせ、替え作文をさせた。

板書9



 さよなら さんかく またきて しかく。
 しかくは けしごむ。 



指示7 この続きを、一つ書けたら持ってらっしゃい

子ども達が持ってきたノートに丸をつけた。
丸をもらったら他の子達のヒントになるよう黒板にも書かせた。
書けた子は、どんどん続きを書かせた。

そして、授業が終わるころ、次のような作品が出来上がった。


子どもの作品例)
 さよなら さんかく またきて しかく。
 しかくは けしごむ。
 けしごむは しろい。
 しろいは ぼうし。
 ぼうしは かぶる。
 かぶるは かつら。



休み時間も熱中して書いてくる子もいた。
中には、家に帰って自分でやってくる子もいた。
それほど楽しい教材である。




教材文を使った授業は、時間がなくなったため、板書8までしかできなかった。

また、替え作文では、書けているかどうか確認するため、現実践にはないが指示7を追加した。

くっつきの「は」を楽しく学習することができた。
こういう「楽しい」授業だと子ども達の記憶も定着しやすいだろう。
この後、くっつきの「は」を誤る子は激減した。
しかし、それでも間違う子はいる。
ここで終わりではなく、実態にあわせて継続した指導も必要である。


TOSSお茶しましょ 泉井康宏(yatti-wakui-go@y2.dion.ne.jp)
 (TOSSお茶しましょ推薦 , 作成日8月10日/更新日8月19日)