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菊田俊弥1

言葉に親しませる「朝の会」(1・2年複式学級)

田上大輔+TOSS札幌向山国語研究会著『黄金の三日間 国語の授業開き』(明治図書)より   P.39〜44佐々木智穂氏『漢字に親しませる・語彙を増やす「朝の活動」』の追試

 
 
 毎朝くり返される、学級の「朝の会」の時間。無駄に過ごさせたくない。毎朝10分の朝の会も、方法によっては子どもに力をつける貴重な時間となる。
 

 1.あさのあいさつ、日付


 「あいさつ係」の子(2年生)の合図で朝の会を始める。
 原実践では教師の「起立」「おはようございます」で始まっているのだが、私の学級では係活動の一つとして、係の子にやらせている。

(チャイム)
あいさつ係 「立ってください」
あいさつ係「おはようございます」
教師・子ども「おはようございます」

 立ったまますぐに日付を復唱させる。

教師「今日は六月八日、金曜日です」
子ども「今日は六月八日、金曜日です」
教師「天気は晴れです」
子ども「天気は晴れです」

 日付はあらかじめ黒板の右端に「六月八日 金曜日」と漢字で書いておく。
 4月の段階で、「ようか」などの特別な読み方がわかっていた子はひとりもいなかった。だからこそ、毎日日付を読ませ、特別な読み方に慣れさせていくのが大切だ。
 1学期を終えるころには、教師が、
 「日付を書きます。しちがつなのか。」
というように指示すると、
 「なのか・・・7にちだね!」
と分かるようになってきた。
 天気の部分は原実践の文献にはないのだが、ある講座で佐々木学級の「朝の会」のVTRを見せていただいた中でおこなわれていたので追試させていただいている。


 2.出席をとる


 子どもたちの名前を板目紙(A5サイズ、原実践では厚めのケント紙)に「漢字で」書いておき、それを使って出席をとる。

教師「はい」(カードを見せる)
子ども「はい、□□□□(自分の名前)です」
教師「いい声です!はい」(カードをめくる)
子ども「はい、○○○○です」
教師「元気な声!はい」

 返事の合間にほめ言葉を入れる。ほめ言葉は原実践文献にあるように「短くパッと」言うことを心がけた。声がとても小さい子にも「優しい声だね!」などと毎日声をかけ続けたところ、返事の声がだんだん力強く変化してきた。
 カードは初め座っている席の順にしておいて、2週間たってからランダムに出すようにした。初め4人中3人の子が漢字で書かれた自分の名前がわからなかったが、2週間後にはランダムに出しても自分の名前が出ると、
 「はい、○○○○です」
と返事ができるようになった。
 さらに1学期の終わりには、漢字の苦手な2年生2人が自分の名前を漢字で書き始めた。


 3.フラッシュカード


 TOSSフラッシュカードで英単語の練習。

教師「Head.」
子ども「Head.」
教師「Head.」
子ども「Head.」(カードをめくる)
教師「Shoulders.」
子ども「Shoulders.」
教師「Shoulders.」
子ども「Shoulders.」(カードをめくる)
 
教師「Head.」
子ども「Head.」(カードをめくる)
教師「Shoulders.」
子ども「Shoulders.」(カードをめくる)
 
子ども「Head.」
子ども「Shoulders.」
 
教師「Good! Very good!」

 テンポよくおこなう。
 佐々木氏の原実践ではことわざや四字熟語をフラッシュカードで言わせているのだが、1学期、私は市販の時計カードで時計の読み方、英単語の練習をした。クラスの子どもたち4人全員が時計の読みが苦手だったのと、今年度校内研究で「英会話」に取り組んでいるためだ。
 時計については、この時間以外には特別な指導をしなかったが、4人中3人は1学期のうちに時計が読めるようになった。
 2学期からは原実践どおり、ことわざや四字熟語にも取り組んでいる。


 4.スピーチ


 原実践どおり、毎朝2人ずつ言わせる。4人なので1日おきに順番が回ってくる。
 最初の回には、

「私の名前は○○○○です。よろしくお願いします。」

という自己紹介をさせた。全員できたので2巡目からは、

「○○○○です。好きな食べ物はいちごです。」

などと、名前のあとにひと言付け加えさせた。
 これはできない子が1人いたので、「好きな食べ物はなあに?」など教師の質問に答える形で話させた。
 6月末には、

「んと、昨日○○ちゃんのお家の中でおままごとをしました。んと、りんごとかのおもちゃのやつとか、お皿とかコップとかあってね、楽しかったです。」
  (6月28日、2年生Aさん)
「今日・・・今日の朝ご飯はパンでした。おいしかったです。」
  (6月29日、2年生Bさん)
「昨日外で、○○ちゃんと○○ちゃんと○○ちゃんと○○ちゃんで遊びました。とっても楽しかったです。」
  (6月29日、1年生Cさん)

のようなスピーチができるようになった。2学期からは質疑応答も取り入れている。

 文献にはないが、最後に教師からの連絡を簡単にすませ朝の会を終える。

 この流れで、いつも5分程度で終わる。余った時間は、1時間目の準備とトイレタイムに充てられる。



        TOSSウトナイ 菊田俊弥
             (作成日:2007年9月6日/最終更新日:2007年9月13日)