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高橋誠1

(C)TOSSランド>小学校>社会科>5年生>食料生産

食糧自給率(小学5年・社会科)の授業

 教科書・資料集に載っている資料を使って仮説を確かめる実践である。
 予想させてから確かめる活動を入れることで、資料活用の力をつける。

 天ぷらうどんの材料の自給率を予想する

 スマートボードノートブックで、天ぷらうどんの写真を提示する。

発問1 天ぷらうどんの材料は何ですか。ノートに書きなさい

 うどん、しょうゆ、えび、かつお、ねぎなどが出てくる。
 うどんやしょうゆは、原料が小麦粉、大豆であることを確認する。

発問2 この中で、日本で半分以上自給されているのはどれだと思いますか。

 自給率とは、「自分の国の中だけで作られる割合」と補足する。
 予想して手を挙げさせる。
 えびやかつおは魚介類、ねぎは野菜とする。
 野菜は近所の農家でも作っているのでほとんどの子が自信を持って挙手していた。
 逆に魚介類は、半々に分かれた。
 理由を聞くとある子が漁業の学習を覚えていたようで、「漁獲高が減っているから」と発表していた。

指示1 教科書を開いて、自分の予想を確認します。

 教科書には、小麦、魚介類などの自給率がグラフになっている。
 野菜以外は自給率50%を切っている。
 子どもたちは「当たった」「はずれた」などと言いながらグラフを見ていた。

  農林水産省「食糧自給率の部屋」
  (http://www.maff.go.jp/jikyuuritsu/kuwashiku2.html

 各国の自給率の変化のグラフをスマートボードノートブックで提示する。
 タイトル、出典、年度、縦軸、横軸を確認する。

発問3 ノートに、このグラフを見て、わかったこと気づいたこと思ったことを書きなさい

  • 日本はどんどん自給率が減っている
  • 2002年に自給率が上がっている国がある
  • 自給率が100%を超えている国がある

 はじめは全く鉛筆が動かなかった子が、やっと持ってきた時に書いていたのが、
「日本はもっと食べものを作らなくてはいけないと思う」
 書いてきたことを大きく誉めて、黒板に書かせた。

 自給率が減った原因を予想し、資料で調べる


発問4 日本の自給率が減ってきた原因は何だと思いますか 

 これはちょっと難しかったようで、隣同士で相談しながら考えていた。

  • 外国から輸入する量が多くなっているから
  • 日本人が米などを食べなくなってきたから
  • 日本の食べ物があまりおいしくないから

 3つ目の「食べものがあまりおいしくないから」には、周囲から「本当かよ?」の声があがっていた。

指示2 予想があっているかどうか、教科書、資料集で調べなさい

 ノートの書き方も指導した。

  • 1行目に、選んだ予想
  • 2行目に、予想を確かめたグラフの名前、出典、年度。
  • 3行目に、予想の結果や分かったこと

という順に書かせた。
 教科書・資料集に限定したため、調べるグラフも同じになりやすく、隣同士相談しながら書いている子もいた。
 また、どのグラフを見るとよいかわからない子にも、隣同士の相談で分かるようになっていた。

指示3 調べて分かったことを発表しなさい。

 ノートに書いたとおり発表させた。
 ある子が、この時間で学習している教科書のページよりも前に載っている「農業で働く人の数の変化」というグラフを使って調べていた。教科書を広く見て調べていることを誉めた。 


 原実践は辻岡義介氏(NO.1143006)。
 また、進士かおり氏(『TOSS向山型社会』NO.47)の修正追試も参考にした。

 本実践は、原実践で後半討論になっている部分を、進士氏の実践通り仮説を教科書・資料集で確かめる授業とした。この時点で子どもたちに資料をもとに討論する力をつけられてなかったからである。調べる範囲を縮めたことで、どの子も仮説を証明することができた。
 なお、教科書は教育出版、資料集は正進社のものを使った。

 TOSS上川 高橋誠 pyua@amber.plala.or.jp

(作成日2007年9月8日 最終更新日2007年9月15日)